初心者のためのサブスリーの目指し方【ステップ1~4】

トレーニング

 



マラソンの練習というと何かと速いペースで長時間走り続けるというところに目がいきがちですが、それはあくまでもサブスリー達成者や更に記録更新を目指す人が行う練習です。

初心者がまず最初に何を意識すべきか、そのステップを順に紹介していきます。

ステップ1:走るという動作に慣れる

普段の生活の中で長い距離を走るという動作はそうそうありません。何かしら目的がないとしない動きということになります。

人間は普段あまりしない動きをするとすぐに疲れてしまい長時間走ることはできません。

まずは長く走るという事を体に覚えてもらう必要があります。いきなり、長時間走ることはできないのでゆっくりやっていきましょう。

走るという動作に慣れる
  • 自分に合った正しいフォームでゆっくり走る
  • じんわり汗が出て走っていて気持ちがいい感覚をつかむ
  • 体のどの部分が疲れてくるのかを知る

走るための準備段階です。しっかりやることで体の土台ができていきますので、焦らずじっくりやっていきましょう。

基本的に姿勢よく胸をはって長時間走っても疲れにくフォームを自分なりに構築していく必要があります。良いフォームで走ることがでれば疲れにくく理にかなったランニングが可能となります。じんわり汗が出て気持ちのいい感覚を長時間維持できれば練習のステップも上がっていきます。徐々に強度を上げ自分が気持ちよく走れる時間が長くなればそれが記録になっていきます。それまでは少しづつ時間をかけて自分の走りをつくりあげていきましょう。

走り始めの頃は必ず体のどこかしらか痛くなってくると思います。

運動不足による筋肉痛なら2~3日で回復しますが、走る度に筋肉痛になる部分は大きな負荷がかかっている証拠です。日々の休養で痛みがとれる場合は回復が間に合っていることになりますが、休養しても痛みが引かない場合は何か他に原因がある可能性があります。長く、楽しくランニングを続けていくためにはこのようなことがあったら放置せず原因を探りましょう。

痛みの原因

  • シューズが合ってない
  • フォームが悪く体の一部に大きく負荷がかかっている
  • そもそも走り過ぎ

ケガ、故障について別記事にて詳しく解説しています。

ある程度問題がなくランニングが続けられるようになったら次のステップです。

ステップ2:少し走る時間を延ばしてみましょう。

自分の気持ちが良いペースでコンスタントに走ることができ、体が慣れてきたら今回のステップに進んでみましょう。

ここまでで走る動作に対しての体の使い方、感覚等、少しずつ分かってきたと思います。では今度はそのままの状態で少しだけ走る時間を延ばしてみましょう。普段20分走っていた人は25分。30分走っていた人は35分と、少しでいいので時間を延ばしてみてください。今はまだ距離やスピードのことは考えなくてもいいです。

まず5分、時間を延ばしてみてどうですか?きついと感じた方はきついと感じた同じ時間を次の練習でもう一度走ってみてください。きつくなくなってきたらまた5分と時間を延ばしてください。

時間を延ばす→休養→時間を延ばす→休養

これの繰り返しでステップ2は終わりです。しっかりと走って、しっかり食事、休養をとれば気が付いたころには60分間くらいは走れるようになっているはずです。

ステップ2は非常に大切な項目なので自分の不安がなくなるまで繰り返し走ってください。あわてず焦らず、体がきつい時は休んだり、時間を減らしたりして少しずつでも前に進んでいきましょう。

トライandエラーです。ここまで走れるようになったら次はステップ3へ進みます。

注意点

  • きつくなったら自分が気持ちよく、楽しく走れるところまで時間を減らす
  • 少しでも痛みがある場合はすぐに練習を中止する
  • 徐々に走る時間が延びてくるので水分補給はこまめにする
  • 悪天候、悪路の日は思い切って休む

週1回のランニングでも向上していけるの?

時間を延ばしてレベルアップしていくためのランニングは週1回でも大丈夫です。重要なのはその週1回の臨み方、それ以外の日の過ごし方です。どんなに質のいいトレーニングをしてもそれ以外の日を不摂生してしまったらすべて台無しになってしまいます。それとは逆にトレーニングは週1回でもそこに至る過程がよければその週1回のトレーニングの効果を底上げしてくれます。このような良いサイクルが体に習慣化されれば、週2回3回と練習量が増えたときには自分でもびっくりするくらい走力が上がっているでしょう。

ステップ2で気をつけるべき事

ステップ2は淡々と同じ動きの繰り返しで退屈に感じてしまう方もいるかもしれません。サブスリーに挑戦している間は走ることだけに固執せず、ほかの趣味や楽しいことをいっぱいやってください。それが次のランニングへのモチベーションにもなりますし、リラックスしてランニングに臨めます。

のめりこむのはいいですが、度を過ぎるとケガにも繋がりますのでゆっくりやっていきましょう。いよいよ次はステップ3です。ここからは体のケアも重要になります。

ステップ3:まずはサブスリーの半分、90分を目指してみよう

ステップ1~2までが継続的に走れるようになってきたらいよいよステップ3に進みます。今回は少し長めの時間を走る項目になるのでステップ1~2がしっかりできている方のみ進んでください。ここで行き詰るようならまたステップを戻ってやり直してみてください。

サブスリーの180分を練習で走る必要はあるか?

ここまでのステップで60分程度の軽めのランニングは裕に走れるようになっていると思いますので、まずはその60分を超えていくところを目標にしていきます。

フルマラソンをサブスリーで走るのは時間にして180分程度です。今回のステップ3ではこの時間の半分程度90分を目安に走っていきます。90分といっても1日の自由な時間の中では決して短い時間ではありません。走る時間をつくるだけでもたいへんです。時間が取れない場合は毎日走る必要はありません。休日、まとまった時間が取れる時にじっくり走ってみましょう。そうすることで程よく練習と練習の間隔をあけることにもなります。

さて90分の内容ですが、まだゆっくりステップ1~2同様に気持ちが良いじわっと汗が出るくらいのペースで走りましょう。本気でサブスリーペースで走るのはこのステップ3をクリアしてからになります。慌てずいきましょう。

練習で180分を走らなければフルマラソンは走れないと思っている方も多いと思いますが、決してそんなことはありません。おおよそ90分を一定のペースで走る練習を繰り返せば本番で180分を走りきる力はつけることができます。一般的にはペース走と言われるものです。

私も実際このステップ3を繰り返し初マラソンに挑みました。マラソンで30㎞~40㎞地点は未知の領域にはなりますが、この練習をしっかりしておけば終盤でもしっかりと体が前に進んでくれるでしょう。

このステップ3ではスピードよりも走る時間に重きをおいています。なぜならステップ3時点の走力でスピードを上げても180分を耐えることはできないでしょう。初心者の方はまずこの長い時間になれることが重要です。もちろんスピードを上げていかないとサブスリーまでは到達できませんが、そのスピードを受け止める器をしっかりつくることが先決になります。この器をつくる作業がサブスリー達成の肝になってきます。

長時間のランニングで気をつけるべきこと

徐々に時間が長くなり体には多くの負担がかかるようになってきます。走る頻度が少ない方もだからといって安心してはいけません。90分走り続けるというのは体へのダメージは計りしれません。休養明けに疲れが抜けてないなと思う時は時間を短くしてみたりウォーキングに切り替えたりして故障を防ぎましょう。故障を防ぐためにこちらもご覧ください。

同じような負荷を体に与え続けないようにするため、走る以外のスポーツもおすすめです。バトミントンをしてみたりフットサルをしてみたり気分転換に自分の好きなことをしてみてください。私達はトップ選手ではありませんので走る事だけに集中する必要はありません。走る事だけに集中してしまうとケガにも繋がります。程よく体をほぐしリフレッシュして良い状態でまた走りましょう。

ステップ3をこなせるようになったら

ここまで練習を進めてきた初心者の方はとても素晴らしいです。日頃の鍛錬の賜物だと思います。自信をもっていきましょう。サブスリーへの道はあと少しです。大切なのは諦めず継続することです。ケガに気をつけてゆっくりサブスリーを目指していきましょう。

60分から90分のランニングに慣れてきたらこちらも知っておこう!

次のステップはいよいよスピードを上げていく練習が始まります。心肺機能と持久力を両方鍛えていくことでさらにサブスリーに近づけます。その辺りのコツをしっかり解説していきます。

ステップ4:スピードを上げていきましょう

ここまでステップ1~3まで継続してトレーニングしてきた方はステップ4にいってみましょう。ここからは少しスピードを意識したトレーニングになりますのでしっかり体を慣らしてからのスタートをおすすめします。運動の強度が少し上がりますのでその日の体調によってはジョギングに代えるなど対策が必要です。

いきなりペースを上げても大丈夫?

スピードが上がると故障する割合も高くなります。ここからはしっかり準備運動をしてトレーニングを始めるようにしましょう。ゆっくり走る時はそれほど重要性を感じられないかもしれませんが、準備運動は大事です。

ランニングは同じ部位に負荷が継続してかかる運動です。それらの部位をしっかりほぐし温めてからトレーニングを開始しなければなりません。一般的な準備運動で構いませんのでしっかり体が温まるまで行いましょう。ケガの防止の観点から関節がスムーズに可動するように回したりほぐしたりしましょう。

特に走る動作は股関節やひざ関節にダメージが蓄積されやすいのでそこは重点的にほぐすといいです。体がぽかぽかし始めたらまずはゆっくりジョギングから入りましょう。

ランニングスピードを体に慣れさせるためには?

ここまで「ゆっくり走っていいです。」とか、「じわりと汗がでるくらいの気持ちの良いペースで」という内容のトレーニングを継続すれば大丈夫だと言い続けてきたわけですが、最終的にサブスリーを達成するにはそれよりもスピードを上げなければなりません。

ではなぜ今までのステップでゆっくり走ってきたかといいますと、今回のスピードトレーニングに対応する体をつくるためです。ステップ3までをしっかりやってきたランナーなら十分にスピードを上げるトレーニングを行っていくことは可能です。

サブスリー達成に必要なペースは1㎞約4分15秒ペースですが、いきなりそのスピードで継続して走ることは無理でしょう。徐々に体にスピードを慣らしていく必要があります。1㎞約4分15秒ペースで気持ちよく継続して走れるようになればもうサブスリー達成にかなり近づいています。

スピードを意識した練習ではスマホやスマートウォッチはあったら便利ですがなくても大丈夫です。あったにこしたことはないですが、無くてもスピードは把握できます。

スマートウォッチ無しのペースの把握方法

1時間走ってみて大体の距離を把握します。

1時間に14㎞進むことができたら【60分÷14㎞=1㎞4:15秒】おおむねサブスリーペースになります。計測だけなら腕時計かスマホ1つできます。

標識や、ランニングコースの距離表示を目安にしておおよそのペースは把握できます。

フィットネス系やグーグルマップ等の地図アプリもありますので距離の計算はとても簡単です。帰宅後に自分の走ったコースをマップで確認すれば大体の距離は知ることができます。

ステップ3までこなしてきた走力ならば1時間で10㎞程進めるのではないかと思います。体が慣れるまではそのスピードで1時間を走ることを続けてみてください。週1回でも2回でもいいです。その間軽めのランニングや筋トレを織り交ぜて毎日同じような負荷がかからない工夫をしてください。

このトレーニングのローテーションが基本の形になります。ここまでくると練習にバリエーションが持て、走るのがとても楽しくなってくるでしょう。楽しくなると無理をしやすくなります。程よく休養も必要です。じっくりやりましょう。

予想に反して1時間で14㎞進むことができたのならそれをさらに2時間長く走り切れば目標は達成です。と言うのは簡単なんですけどね。ここからがサブスリーの最終関門ですね。

ステップ1~4のまとめ

これでサブスリーを目指すためのトレーニングメニューは一区切りになります。このトレーニングを基本としより一層の強化のための補強トレーニングを加えていきます。補強トレーニングはまたべつの記事にて詳しく解説していきます。

この段階ではトレーニングも重要ですがそれ以上に体のケアが大切になってきます。数々のケガを経験してきた私がもっとも注意喚起したい部分でもあります。

補強トレーニングについての考え方はこちらをどうぞ!

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